私は、FitnessGym O-enというジムで、ジュニアアスリートのトレーニング指導をしていますが、そもそもこのジムをつくった理由は、私が教えているチアリーディングチームの子たちが、日本一をゴールに掲げているからです。私が教えているチアリーディングチームの子どもたちは、チアリーディングというスポーツを楽しみ、上手くなりたい、こんなことができるようになりたいと、自分たちがまだ見たことのない景色を見るために、一生懸命練習に取り組んでいます。
そして、その子達にトレーニングを教えているうちに、ジュニアアスリートで他のスポーツチームにいる子でも同じだろうなと思いました。野球をやっていてもそう。サッカーや、バスケットボール、ゴルフ、体操、空手。何をやっていても、どんなスポーツをしていても子どもたちはそのスポーツを愛し、一生懸命取り組んでいると思います。
スポーツチームに入ると、練習の中で技術だけでなく、人としてのメンタリティであったり、たくさんのことを教えてもらうと思いますが、レッスンの中の多くの時間は、その競技特有の技術習得の時間になります。
私の教えているチアリーディングで言えば、モーション(手や足を動かして形を見せる動作)やダンス、ジャンプ、タンブリングやスタンツ(組体操のようなもの)の練習をします。
野球で言えば、ピッチング練習やバッティング練習、守備練習などになるでしょうし、サッカーで言えば、パス練習、シュート練習、戦術練習なでになるでしょう。
指導者は、もちろんその中で正しい動作を教えますが、その中で、教えられたことがすぐにできる子とすぐにできない子に分かれると思います。
それは、その技術習得に対して必要な身体動作を習得できている子とできていない子がいるからです。(ここで言う身体動作とは、下の図の関節の可動性・安定性と動作パターンです。筋力が足りない場合もありますが)
これを「センス」と呼ぶ人もいると思いますが、このセンスがもともとある子は本当に稀です。(センスは自分でつくれるものなので、センスがあるのと天才は違います)センスのほとんどは、それまでの運動経験によって「たまたま」培われていたものなのです。(だから小さい頃にはアスレチックなどでたくさん遊ばせておいた方が良いと言われるんですよね。)
このセンスが「身体動作システム」の土台のことであり、その土台として、「関節の可動性と安定性」「動作パターン」「筋力・スピード」が必要だということです。
身体動作システムとは
身体動作システムの原則に沿うと、スポーツ選手として活動していくためには、まず、関節の可動性と安定性が担保されていることが重要です。
関節と言えば、股関節が真っ先に思いつく方が多いのではないでしょうか。(人間には約360個の関節があります)
股関節はスポーツのみならず、立つ、歩くという実生活でも非常に重要な動作での役割を果たす関節なのですが、この股関節をどう動かすことが解剖学的に正しいのかを知っているジュニアスポーツ選手はどのくらいいるのでしょうか。(ちなみに大人でも正しく立ててない、歩けてない人が本当に多く、この後話しますが、そういう方が歳を重ねると腰や膝を痛めています)
トレーナーが専属でついているような、プロチームの下部組織クラブチームでなければ、中々知らないと思います。そして、スポーツ選手として絶対に知っておいた方がいい関節は11個ありますが、それぞれをどう関連付けて動かすのが良いのか知らずにスポーツをやっている選手が多いということです。
できないからスキルの練習をたくさんしよう。筋力をとにかくアップさせよう。スピードを高めよう。こうなりがちです。(私も、トレーナーとして学ぶまではそう思っていました)
そんな選手たちが、スキルを身につけるために、一生懸命練習をするとどうなるか。
すると、このようなバランスの選手が生まれます。スキルは上手で、筋力もある程度ある。しかし、動作パターンは習得できておらず、運動連鎖は起きない。関節の可動性は低く、安定性がない。という状態です。
この選手が競技を続けていくと、多くの関節に負荷がかかり、怪我をしてしまいます。腰が痛い、膝が痛い、足首が痛い、そのような選手が出てしまうわけです。
まとめ
せっかくジュニアのスポーツ選手がそのスポーツを愛し、創りたい未来のために頑張っていても、このように怪我をしてしまっては本当に勿体ないです。
上記のようなバランスの選手ではなく、理想の身体動作システムを習得した選手を育成するために、身体動作システムの原則をトレーニングを通して教えていく「場」として、私はFitnessGym O-enをつくりました。
もちろん、スポーツをする上で、筋力アップやスピードアップのトレーニングは重要なことです。また、スキル習得のための反復練習も大切なことです。
しかし、その前に、最も土台となる関節の可動性と安定性を習得した上で、その関節を複数使った動作パターンを習得した上で、筋力トレーニングやスキル練習を行うことで、スポーツを真の意味で生涯スポーツとして楽しみ、「できた!」という果実を味わう選手が増えていく未来を創りたいと考えています。
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